【毎日jp】
高2自殺:バスケ部主将、手紙に「顧問から体罰受けた」
毎日新聞 2013年01月08日 13時09分(最終更新 01月08日 13時52分)
大阪市教委は8日、同市都島区の市立桜宮高校(佐藤芳弘校長)の2年生の男子生徒(17)が先月23日、自宅で自殺したと発表した。市教委によると、男子生徒は、主将を務めていたバスケットボール部の顧問の男性教諭(47)から体罰を受けていた、と記した手紙を残していた。男子生徒は顧問から顔面を平手打ちされるなど複数回の体罰を受けていたという。市教委は自殺前日にも顧問の体罰を確認しており、自殺との因果関係を調査している。【茶谷亮、津久井達】
大阪府警は自殺当日、顧問からも事情を聴いた。佐藤校長と永井哲郎・市教育長らが市役所で記者会見した。
市教委によると、男子生徒は、23日早朝に自宅で、制服のネクタイを使って首をつっているのを母親が発見した。遺書のほか、顧問に宛てた手紙も残していたという。
手紙などには、顧問の厳しい指導や体罰があったことや、主将としての責任に苦しんでいた、との記載があった。市教委の調査に顧問は体罰を認め、他の部員へのアンケートでも裏付けられたという。他の部員に体罰をしていたという情報もある。
自殺前日には練習試合があり、試合でミスがあると、顧問が男子生徒の頬をたたいたという。市教委の調査に顧問は「体罰は1〜2回」と話しているが、他の部員への調査では「かなりの頻度で体罰があった」との回答があった。
市教委には、11年9月ごろにもこの顧問の体罰に関する情報があったが、同校から「体罰はなかった」との報告を受けていた。市教委は先月28日に弁護士らでつくる外部監査チームを設置し、協力して昨年度の体罰についても調査する。
同校バスケットボール部は、1〜2年生の男女47人。全国高校総体には過去5年間で3回出場している。顧問は94年から同校で勤務し、バスケットボールの指導が評価されていた。
◇真面目で責任感強く
「因果関係は断定ができないが、重く受け止めている。体罰があったことは許し難い」
永井哲郎教育長は記者会見でそう話し唇をかんだ。会見では、冒頭、長谷川恵一・教育委員長が「亡くなられた生徒のご冥福を祈り、遺族に心からお悔やみ申し上げます」と述べ、同席した佐藤芳弘校長らとそろって頭を下げた。
男子生徒は、バスケットボール部への入部を希望し、同校の体育科を受験。昨年9月ごろから主将を務めていたという。校長によると、性格は真面目で、成績も上位で、責任感が強い生徒だったという。
男子生徒が家族に宛てた遺書には、感謝の気持ちがつづられていたという。
生徒の保護者が遺体を確認したところ、唇を切っており、頬が腫れていた。両手で顔面を平手打ちする体罰は、生徒の自殺前日を含め「かなりの頻度であった」ことが確認されたという。
佐藤校長は会見で「男子生徒はなかなか顧問の思う主将になれないと悩んでいた。生徒は口べたで顧問に思いを伝えようと手紙を書いたが渡せなかったようだ」と話した。
◇始業式で報告、生徒が黙とう
大阪市立桜宮高校では8日午前11時過ぎ、報道陣約20人が駆けつけ、岡山典史教頭が正門脇のインターホン越しに対応した。岡山教頭によると、午前8時50分から同校体育館であった始業式で、佐藤芳弘校長が男子生徒の自殺について報告。男子生徒が顧問に宛てた手紙が見つかったことを明かし、「厳しい練習やキャプテンのことで悩んでいたと書かれていた。皆さんも悩んでいることがあれば周りに打ち明けてほしい」と呼びかけた。その後、生徒全員で黙とうしたという。この日、部活動は中止された。
奨学金の相談で訪れたという同校卒業生の男性(19)は「バスケ部で体罰があったという話は聞いたことがなかったので驚いた」と声を詰まらせた。【山田尚弘】
【引用ここまで】
--
何とも辛く悲しいニュースだ。
記事からは知り得ない様々な事情があっただろうから軽々しくコメントすることはできないが、私もかつて大学のクラブ(アメリカンフットボール部)の指導者として、選手たちを殴ったり蹴ったりしたことがあるが、「防具」を着けていない教え子を殴るなんて、よくもそんなことができたものだと呆れてしまう。
自分がしてきたことだけを正当化するつもりはないが、殴る時はヘルメットの上から、蹴る時もヒップパッドの上と、暴力で身体に痛みを与えるというよりも、殴る(蹴る)ことによって心に強く衝撃を与えることを目的としてきた。
また、私も若い頃は不甲斐なさにカッとなって殴ったことも無かったとは言えないが、二度目に監督になってからは、ミスしたからというよりも、技術的に未熟で怪我をする危険があると感じた時に、それを修正することを選手自身に強く印象付けるために殴ったり蹴ったりするようになった。大学での4年間という短期間でそれなりのプレーを身に付けさせるには、言葉での指導だけで足りない場合も中にはある。そうした時、ヘルメットの上から私が拳で殴りつけることによって、目が覚めたように上達することも多かった。
私の指導力が不足していたから、言葉や練習だけで上達しなかったのだということは分かっているが、真剣に指導した結果、そうした行為に及んでしまったことを反省しつつも、殴ったり蹴ったりで怪我をさせたこともなく(自分が殴って拳を骨折したことはあるが…)、間違っていたとは思っていない。(今後もし指導者になったとしたら、今度は殴ったり蹴ったりせずに指導する自信はあるが…)
今回の場合、おそらく顧問の先生も予想だにしなかった悲劇だろうが、部員たちひとりひとりをちゃんと見ていてあげれば、彼らの心の声を聞きそびれることはなかったはずだ。彼らの声に耳を貸さず、彼らが自由に話せる環境を作ってあげなかったから、こうした悲劇が起こってしまったのだろう。もちろん、無防備の部員に平手打ちするなど言語道断。体罰の回数についても、顧問「1~2回」、他の部員「かなりの頻度」と開きがあり、もし、他の部員が冷静に正確に話しているのだとすると、これはとんでもないこと。私が言うと、自分のことを棚に上げてるようで気が引けるが、決して許されることではない。
顧問・監督・コーチといった指導者はメンターでなければならないと言われる。指導者が部員たちの声を聞かず、自分の考えを押し付けているようでは指導者とは言えない。部員たちが進みたい道を自力で進めるように導いてあげるのが指導者の役割。そうできない指導者は、例え戦績が良くても、そんなの選手の素質が良いだけかまわりが弱いだけで、優れた指導者とは言えない。
辛く悲しいニュースを知り、思いつくままに書き綴ってしまった。
亡くなられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
0 件のコメント:
コメントを投稿