先週土曜日に開催された「
COCキックオフシンポジウム/第3回東北域学シンポジウム」の個人的備忘メモ。
<モンカの挨拶より>
人材育成の結果を目に見える形で
<基調講演>
「新しい“知”と“地”の構築に向けて」
合田隆史氏(尚絅学院大学長)
与えられた2つのテーマ
1)18才人口の減少をどう受け止めるか
2)政策的潮流の中での大学と地域社会との関係性およびその再構築
18才人口の減少をどう受け止めるか
現役志願率が頭打ちになっているのは何故かを考えなければならない
以前は現役進学率を4割に保とうとしていた→学力レベルの低下を懸念
5割を超えたらとめどなく増えるのではないかと予想していたが、実際には6割で頭打ち
大卒の収益率は相対的に下がっていない
生涯賃金は下がっているが、高卒のそれも下がっている
従って、相対的に下がっていない
故に、借金してでも大学へ進学した方が良いのに、進学率が伸びていない
世界的には高等教育へ進む率は高まっているが、東京で6割、東北は4~5割(?)
東北では、宮城のみが若干の流入超過→東北には可能性がある(?)
世界に比して
学部の留学生が伸びない
社会人学生が少ない
入学者数の確保
1.進学率を上げる→東北には伸び代がある
2.地域の(18才)人口を増やす→親の仕事を増やす
3.他地域から進学者を呼び込む
4.世界から進学者を呼び込む→難しい
5.社会人学生を増やす→難しい
6.600の大学に600の未来-ミッションの再定義
COCのポイント(難しいところ)
全学的にどう取り組むか
補助金後どう継続するか
地域連携は、大学の第三の機能(教育・研究・社会貢献)のデザインの問題ではない
大学のあり方自体を問い直す契機
大学の本質は職業教育ではない
学士力=汎用的能力+専門的知識・技能の再定義が必要ではないか
これまで
学士(○○学)←専門性の証明であり、これが古い考え方ではないのか
これから
学士=専門分野の履修を通じて汎用的能力を獲得したことの証明とする
すなわち学士課程とは、汎用的能力を中核とする学士力涵養の場
入試改革
ユニバーサル化→学力低下
その背景に学部教育の目的の変化がある=社会が求める汎用的能力(学士力)の育成
新しい大学像の模索
学問体系を具現化した「組織」としての大学から、「機能」としての大学へ
教育の目標・方法・評価のセットで見直しが求められている
社会的孤立の状況
友人・同僚・その他と滅多に付き合わない比率が高い日本
では、誰と付き合うのか?→家族
その家族が壊れ始めている=核家族→単独世帯
地域貢献から連携へ、連携から協働へ
(大学側)
学生が育つ姿を発見して初めて教員は本気になる
しかし、地域連携は教育実習ではない
大学が主役→「地域のために」を中心に
(地域側)
地域起こしに大学を巻き込む
そこで学生を育てるのは地域の大事な責任
地域が主役→「学生を育てるために」を中心に
<パネルディスカッション>
関心があること、頭を痛めていること、課題は何ですか?
リーダーシップの不足(地域を引っ張る人が減ってきた)
行政・民間の支援がなくなった時の地域の担い手が不足している
自治会の形成が減少している
学生時代に資格を取らせて欲しい
スマホ・タブレット普及の中で正しく判断できるのか?
インバウンドの準備が出来ているのか?
積極性・自主性・社会性が低下している
学生の育て方・地域にどんな人が必要か
コミュニティが外とつながっているかどうか、交流の度合い
大学は内と外をつなぐ役割に期待
文化的交流がコミュニケーションツールとなって地域と交流できる(内と外をつなぐ)
関心を持っている(意識が高い)学生とそうでない(意識が低い)学生の差が大きい
リーダーシップの質的要件
これまでのやり方を大事にしながら変わっていかなければならない
日本社会は雑談中心で協調性が重視されてきた→これからは対話中心
違うコミュニティと繋がる力
サーバントリーダーシップ(
NPO法人 日本サーバント・リーダーシップ協会)
対話型。多様な意見を聞いて導いていく
目立たないけど組織が動いていく
企業とつなぐ際に大事なこと
企業と地域・行政は異質
企業はマーケットに向き合っている。売上が上がるかどうか
地域は長期的に関係を持てるか。信頼できるかどうか
短期的成果(企業にとって大事)と長期的関係(地域にとって大事)の両方を考える
大学に期待するもの
エサ(単位)で釣ってでも地域と関わりを持たせ、体験させることによって意識が変わる
震災時、大学教員は目的と手段を取り違えて信頼を失った。本来、復興が目的のはずなのに、研究という目的のために手段として復興に取り組んでしまった
(感想)
いろんなパネリストがいて、それらの声をまず真摯に聞くことが多様化した現代社会においては必要なことなのかも。
<採択事業概要説明>
地域で学ぶ→地域と共に学ぶ
アクティブ・ラーニングによる知の創造
仮設検証型の考え方や動き方
以上