Kayaksの2016年シーズン第3戦、岩手県の紫波総合運動公園で11時開始の対仙台大学シルバーファルコンズ戦を観戦した。
初戦も2戦目も雨がちのぐずついた天候ばかりだったが、今日はまるで夏が戻ってきたかのような強い日差しが照りつける陽気で、30℃近くまで気温が上がった。
さて、試合は仙台大のキックオフで始まった。キックがよく飛ぶ。タッチバックとなって、Kayaks最初のシリーズは自陣25ヤードから。
ファーストプレーはセットバックのスイング。パスはキャッチしたが1ヤードほどロス。その後パスをふたつ失敗して第4ダウンでパントを選択。仙台大がこれを好リターンし、仙台大は敵陣10ヤードから最初のオフェンスシリーズを開始した。
仙台大のファーストプレーはプロIからTBへのハンドオフプレー。これはノーゲインに抑えたが、続く第2ダウンでアクションパスを通され、あっさりとタッチダウンを献上。ポイントアフタータッチダウンのキックも成功で、試合開始早々、Kayaksは0対7と仙台大に先制を許した。
仙台大のキックオフで試合再開。再びタッチバックでKayaksは自陣25ヤードから2回目の攻撃。
第1ダウン、プレーアクションでロングパスを成功させ、敵陣43ヤードまで一気に前進。しかしこのあと、ランプレーを2回続けるが第3ダウンで残り5ヤードとなり、ロングパスを試みるも失敗。パントで攻撃権を放棄した。
このパントがすばらしく、仙台大は自陣5ヤードからの攻撃となった。
仙台大は、ランとパスで仕掛けるが、ここはKayaksディフェンスが踏ん張って第4ダウンをパントに追い込む。
これまでの数シーズン、スペシャルチームの出来がまずくて試合をコントロールすることが不得手だったKayaksだが、今日は、パントで陣地を挽回し、ディフェンスが相手攻撃を3回で抑え、有利なフィールドポジションで攻撃権を獲得する、という望ましい試合展開。この時点で、今日のKayaksはちゃんと準備してきたな、と感じた。
さて、Kayaksは敵陣45ヤードからの攻撃。
得意のランプレーをコールするがゲインは僅か。パスも投げられず、第3ダウンで残り10ヤードと、せっかくのチャンスなのにオフェンスが噛み合わない。
第3ダウンのプレーは5ヤードアウトのパスを成功させるが、キャッチしたレシーバーがそのままサイドラインを割ってしまう凡ミスを犯してダウン更新ならず。個々人の経験値はまだまだだなぁ…と、さっきとは逆の感想を持ってしまった。
仙台大は自陣17ヤードからの攻撃。ドローやオプションキープなどランプレーを中心にゲインを重ね、敵陣まで入ったところでファンブルロスト。Kayaksが攻撃権を奪い取った。
Kayaksは、敵陣45ヤードから短いパスとQBのランで前進を試みるが、第3ダウンで残り9ヤードを残す。ここでKayaksはパスプレーを選択。ミドルインを成功させ、そのまま走ってタッチダウン。キックも成功で、7対7と同点に追いついた。
Kayaksのキックオフで試合再開。
仙台大のリターナーがこれを好リターン。敵陣27ヤードまで一気に押し戻した。
仙台大は、第1ダウンの攻撃でオープンプレーを選択。大外をまくって一発でタッチダウン…かと思いきや、これはホールディングの反則で無効となった。
罰退した仙台大は、敵陣31ヤードからの攻撃。パスとランを組み合わせて前進し、敵陣10ヤードまで攻め込むが決め手を欠き、第4ダウンでフィールドゴールを選択。成功させて、7対10と再び仙台大がリードした。(このシリーズの途中から第2クォーター)
仙台大のキックオフで試合再開。またもタッチバックでKayaksは自陣25ヤードからの攻撃となるが、このシリーズはうまく攻められず第4ダウンでパントを蹴り、続く仙台大も第4ダウン残り11ヤードとしてパントで攻撃権を放棄した。
Kayaks自陣24ヤードからの攻撃。プレーアクションからロングパスを成功させ、一気にロングゲイン?!と思った矢先にタックルされてファンブル。ボールを仙台大に奪わえる。さほど強烈なタックルでなかっただけに、こうした凡ミスが痛い。
仙台大は自陣16ヤードからの攻撃。しかも、ファンブルリカバーからの攻撃なので一気に波に乗りそうなシチュエーションだったが、不運にも?ここでウォータータイムアウトが入り、文字どおり水入り。仙台大はピッチプレーと短いパスでゲインするも、第3ダウンの攻撃でパスを失敗。パントにより、攻撃権をKayaksが奪い返した。
Kayaks自陣35ヤードからの第1ダウン、ギブフェイクからクォーターバックが走ってロングゲイン。一気に敵陣18ヤードまで攻め込む。
さらにランプレーと短いパスで前進し、敵陣7ヤードから右にロールアウト、パスを見事に通してタッチダウン。キックも成功で、Kayaksは14対10とし、逆転に成功した。
Kayaksのキックオフで試合再開。ここでナイスキックを蹴ってタッチバック。仙台大リターナーが再三良いリターンを見せていたので、この逆転した直後にタッチバックでリターンさせなかったのは非常に大きいと感じた。
仙台大自陣25ヤードからの攻撃。ランプレーとパスプレーで第3ダウン残り4ヤードとするが、パスを失敗してパント。
Kayaksは仙台大のパントをフェアーキャッチし、自陣27ヤードからの攻撃。前半終了間際で追加点が欲しいところだったが、Kayaksもゲインを奪えず、パントを蹴って仙台大に攻撃権を譲る。仙台大は残り時間が僅かなことからニーダウン。時間を潰して前半が終了した。
Kayaksのキックオフで後半開始。
仙台大はまずまずのリターンで自陣28ヤードからの攻撃。ランプレー中心、時折パスを織り交ぜ、8プレーで敵陣4ヤードまで攻め入る。最後はヒッチパスからエンドゾーンに走り込んでタッチダウン。Kayaksの選手がタックルできる位置にいたが、残念ながらタックルミス。これも痛い凡ミスだったと言えよう。ポイントアフタータッチダウンのキックも成功で、14対17と仙台大に逆転を許してしまう。
仙台大のキックオフで試合再開。
タッチバックのため自陣25ヤードからの攻撃。第1ダウンでパス失敗ののち、ランプレー中に仙台大にフェイスマスクを掴む反則があってKayaksは敵陣43ヤードまでボールを進める。そこからの第1ダウンの攻撃、プロTからのクロスバックプレーでロングゲインし、敵陣17ヤードまで一気に攻め込む。しかし、このあとのプレーが手詰まりでタッチダウンを奪えず、第4ダウンの攻撃でフィールドゴールを蹴って成功。17対17の同点に追いついた。
Kayaksのキックオフで試合再開。
タッチバックで仙台大は自陣25ヤードからの攻撃。パスとランを組み合わせてバランス良い攻撃を仕掛けてくるが、パス失敗が響いてパントに追い込まれる。
パントをフェアーキャッチしたKayaksは、自陣17ヤードからの攻撃。
この試合、リターナーがパントをフェアーキャッチしていることに好感を持った。これまでのKayaksはみすみすパントを後ろに逸し、フットボールの陣取り合戦的要素を無視した試合運びをして自滅することが多かった。しかし今日は、パントによる相手の前進を最小限に食い止めることに成功。お陰で、有利な試合展開に結びつけることができたと思う。
さて、自陣17ヤードからKayaksの攻撃。ランプレーとアクションパスでダウンを更新し、自陣36ヤードからレシーバーのミドルインにパスが通り、そのままエンドゾーンまで駆け上がってタッチダウン。キックも成功で、24対17とKayaksは再び逆転に成功した。
Kayaksのキックオフで試合再開。
仙台大自陣23ヤードからの攻撃。第2ダウンでKayaksがホースカラータックルの反則を犯し、仙台大は敵陣43ヤードまでボールを進める。
ここで第3クォーターが終了し、試合はいよいよ終盤へ。
仙台大は再びランとパスでバランス良くKayaksを攻め、途中、Kayaksのパスインターフェアランスもあったが、12プレーで敵陣4ヤードまで攻め込む。
Kayaksディフェンスは気を抜く時があるのか、時折こうして10プレー前後連続して攻められる時がある。これはいけない。確かに、プレー数が増えれば相手オフェンスがミスを犯す確率も増えるが、時間と体力と気力が相手によって消費され、なおかつサイドラインに控えるオフェンスメンバーのリズムも狂ってしまう。相手に連続でプレーを成功させない準備をする必要があるだろう。
さて、敵陣4ヤードまで攻め込んだ仙台大は、ピッチプレーで大外をまくりタッチダウン。第4クォーター序盤で同点に追いつけば、勝敗の行方は全く分からなくなる。そんな思いがプレーに影響したかどうかは分からないが、ポイントアフタータッチダウンのキックを仙台大は外してしまい、得点は24対23でKayaksは辛うじてリードを守る。
この瞬間、流れが来た、と感じた。
Kayaksはよく準備してきた。前の2試合とは仕上がりが全然違う。仙台大の方が個々人の能力は遥かに上だが、いまいち歯車が噛み合っていない。そしてオートマチックポイントとすら言われるキックを仙台大が外した。流れが来た。そう感じた。
仙台大のキックオフで試合再開。
タッチバックとなり、Kayaksは自陣25ヤードからの攻撃。ここで、先ほどもロングゲインを奪ったクロスバックプレーで再びロングゲイン。敵陣36ヤードまで前進した。ウォータータイムアウトを挟んで試合再開。第3ダウンロングとなったが、ドロープレーでランニングバックが気迫あふれる走りを見せてダウンを更新。敵陣24ヤードからの第1ダウンで再びクロスバック。ここでまたもランニングバックが素晴らしい走りを見せてダウン更新。敵陣3ヤードから中央突破してタッチダウンを奪った。キックも成功して31対23とKayaksはリードを広げる。
Kayaksのキックオフで試合再開。
仙台大自陣20ヤードからの攻撃。もう仙台大はパスを通して早めに得点するしかない。パス中心の組み立てで前進し、最後は敵陣2ヤードからランプレーでタッチダウン。ここでタッチダウンを奪う仙台大の底力はさすがである。
が、ここで先ほどのポイントアフタータッチダウンのキック失敗が仙台大の選手たちに重くのしかかる。
仙台大は、2ポイントコンバージョンを成功させて、やっと同点なのだ。
タイムアウトを取って慎重さを期す仙台大。しかし、仙台大が選択したパスは失敗。得点は31対29で、Kayaksのリードに変わりはなかった。
仙台大は当然オンサイドキックを試みるが、落ち着いてKayaksが対応。自陣38ヤードから攻撃を開始した。
第1ダウン、第2ダウンでランプレーを選択し、時計を進める。この時点で仙台大のタイムアウトは残り2回。
第2ダウン終了と同時にタイムアウトを取って時計を止める仙台大。そしてKayaksは第3ダウンでQBがニーダウン。この時フォルススタートがあって第3ダウンやり直しとなり、再びQBがニーダウンして仙台大がタイムアウトで時計を止めた。
第4ダウンでKayaksはパントを蹴り、仙台大は試合終了まで残り2秒を残して攻撃権を得た。
しかも、このパントがミスキックで、仙台大は敵陣42ヤードという絶好のフィールドポジションで逆転を可能とする攻撃権を得たのである。
しかし、Kayaksディフェンスがプレーを潰して試合終了。
Kayaksは31対29で今シーズン初勝利をおさめた。