今日は、ホテル法華クラブ仙台で開催された平成28年度宮城県体育協会スポーツ指導者研修会に参加してきた。
この研修会は、公益財団法人日本体育協会公認スポーツ指導者の資格更新のための義務研修となっていて、資格を更新するには本来、有効期限の半年前までに受講が義務付けられている。
私は、アメリカンフットボールの指導員資格を持っていたのだが、実は今年の3月に有効期限が切れてしまっていた。もう監督を辞めて5年になるし、今後指導することもないだろうしと放っておいたのだが、それでも送られてくる研修会の案内を見ていて、あ、これ面白そうと思って、資格更新するかどうかは別にして、今回の研修会を受講することにした。
面白そうと思ったのは、アンガーマネジメント。
今回の研修会では講演がふたつあって、ひとつは「アンガーマネジメント --最高のパフォーマンスを発揮するために--」というタイトル、もうひとつは「宮城の子どもたちの体力の現状と課題」というもの。アンガーマネジメントについては以前からちょっとした興味があったので、どれだけのものなのか、期待して参加した。
はっきり言おう。
講師が下手過ぎた!
あまりに下手過ぎて、アンガーマネジメントがどうとか言えるほどまで分からなかった。
私にとっては、講師は「つかみ」で失敗した。
ハリさんに「もう辞めなさい」と言われたキングカズはアンガーマネジメントによって大人の対応をして賞賛され、ジダンはアンガーマネジメントせずに頭突きして失敗した、といきなり言いだしたのだ。
確かにジダンの頭突きは褒められた行為ではないが、あれほどの選手が頭突きせざるを得ない(しかもワールドカップの決勝戦で!)状況にあったことを、ハリさんとカズの会話と比較するって…?? しかも、ジダンは今、レアルの監督になってるぞ? 全然失敗してないじゃん???
気を取り直してアンガーマネジメントについて学ぼうとしても、狭い会場にキツキツで座ってるのに何度も立たせたり(最初に立たせた時は、皆さんお疲れでしょうから立って肩を回しましょうって、この日最初の講演だぞ?!)、ミニワークのように「やってみましょう」的なのが何度かあったが、どれも、一体何をしろっていうの?ってぐらい説明が下手。
パワポのスライドは、おそらく全国共通でアンガーマネジメント協会的なところで作成しているのだろうが、中途半端に覚えた台本どおりに進めようとするから、さっぱりわからん。意味不明。自己中。スポーツ指導者ってこんな感じだろう、という数十年前のテレビドラマをイメージして喋られても困ってしまう。
しかも、そうそう、パソコン操作も下手で、何度も右クリックメニューを出しては係員が駆けつける。スライドのページ送りなんて矢印キーでやればいいのに。
もっとたくさん「???」なことがあったのだが、本当にもう、期待していただけに残念で仕方がなかった。
(誤解のないように。アンガーマネジメントについては分かりませんよ。違う講師から聞いたら、ものすごく役立つものかも。でもたぶんもう行かないな)
さて、
ひとつめの講演が終わって、間に協賛会社による情報提供が入り、ふたつめの講演。「宮城の子どもたちの体力の現状と課題」。講師は宮教大の教授だから、子どもって言ったら本当の子ども(つまり高校生や大学生とかではない、という意味)だろうから、さほど期待をせずに聞き始めた。
そしたら、これが実に興味深い!
宮城の子どもは、1950年代から1980年代にかけて体力が向上していったが、そこから2000年代に向けて体力が低下。最近また向上し始めているとのこと。
例えば、1500m持久走で見てみると、2000年代の17歳は、1970年代の12歳と同程度だというのだ。
その子たちが18歳になって大学に入ってくるのだから、あー、なるほど、どおりで体力の無い子たちが多いワケだ、と納得できた。
また、体力の経年推移と、長期欠席の推移がほぼ同じようなグラフの形をしていたり、これはアメリカでの調査結果だが、体力の向上により懲罰対象となるような行為が減ったとのことで、人間という動物が運動することの意味は、予想どおり大きなものであることを再確認させてもらうことができた。
それから、興味深い統計として、自由に遊んでいる幼稚園児の方が、週6回とか体育指導を受けている園児より体力があったとかで、オーバーコーチングはやっぱりダメだなーとか、フリーウェイトの方がやっぱり良いんだな、などと頭の中でいろいろ膨らませて考えてしまった。
期待していた講演は残念だったが、期待していなかった講演がとても良くて、プラマイ、プラスだな。今日は行って良かった。