6月22日(土)午前11時から北海学園大学清田グラウンドに於いて行われた対北海学園大学定期戦を観戦したので、例によって自分勝手な印象をご報告。
前日札幌入りした時も寒くて霧雨が降っていたが、試合当日も、北海道の人も寒いと言うほど、この時期にしては気温が低く、小雨が降る生憎の空模様。しかし、熱戦を繰り広げようという両チームの思いが通じたのか、試合が始まる頃には雨はほとんど上がり、涼しくてフットボール日和と言って良い曇り空になっていた。
試合は北海学園大学ゴールデンベアーズのキックオフで始まり、Kayaksはこれをリターンタッチダウンで先制。幸先良いスタートを切った。その他、詳しい試合展開は
Kayaks公式サイト等に譲り、いくつか感じたことをざっくばらんに、思いつくまま記してみると…
Kayaksは
前の試合で14対101と大敗したのだが、その時よりは幾分成長したというか、良いプレーも若干見られた。少々辛口な表現だが、記録的大敗に落ち込んでますますチーム状態が悪くなっているのではと危惧していたので、少しでも成長した姿を見ることができて、正直ホッとしたし嬉しかった。
まず、オフェンスでは、2年生クォーターバックが僅かではあるがパスプレーへの理解を深めたように感じた。特に後半良かったので、この試合を通して成長したということだろう。若い選手はこれがあるから楽しい。これまでの春の2試合では、「オレが投げるから、誰かこのボールを捕ってくれー!」という感じでボールを放り投げていたのだが、この試合、特に後半では、自分でボールをレシーバーに「届けよう」という意識を持っているように感じられた。まだまだボールを「置きにいっている」ようなところはあるが、これで強いボールを投げられるようになれば、良いクォーターバックになりそうだ。
それから、青学戦でもひとり気を吐いたキャプテンは、この日も気迫溢れるプレーでチームを牽引していた。オフェンスプレーではないが、キックオフリターンでブロッカーを使った素晴らしい走りを見せ、試合中盤でタッチダウンを奪っていた。良いプレーだった。
一方、オフェンスラインは姿勢が高く、受け身で、全くなっていない。確かにある種のブロックでは姿勢を高く保つようにするものだが、腰の位置が高くなってはいけないはず。下半身はどっしりして、上体をややアップライトにするべきではないか。
それと、淡白すぎる。柔道の差し手争い、あるいは相撲の巻き返しの応酬に似た動きが攻守ライン間ではプレー毎に行われるはずなのだが、そうしたことが全く見られない。淡白で突っ立ってるだけでは、誇り高きラインメンとは言えない。もっともっと激しくプレーして欲しい。(ライン出身OBとして強く願います!)
さて、次にディフェンスについて。
ディフェンスは、相変わらず受け身に見えてしまう。確かに攻撃的なシステムを採用しているのだが、プレーが消極的というか、おどおどしているように見えてしまう。なので、LOSをコントロールしているようには全く見えない。相手のブロックミスから大きくロスタックルすることも再三あったが、安定感が無いというか、相手を圧倒しているようには感じられなかった。タックリングなど、個人的な基本技術を磨く必要は当然あるが、それとは別に、システムの理解度を深める、あるいは、チーム事情に即したシステムを再構築するといったことにより、選手たちの能力を100%引き出してあげることが重要なのではないかと感じた。
最後に、私が最も気になるキッキングゲーム、スペシャルチームについてだが、若干前の試合より良くなったような気がした。まだまだキッキングゲームの仕組みが分かっていないところはあるように感じるが、ほんの少しだけだが、理解し始めたように感じた。足の速さやキック・パントといった個人的能力・技術の改善が急務だが、まずは、フットボールのゲームに於いて、その3割がキッキングゲームであるという事実を知り、工夫して、練習に取り組むことから始めるべきだろう。
それと、反省すべき事柄として明記しておきたいプレーがあった。
Kayaksがタッチダウンしたあとのトライフォーポイントで、北海学園大学に2点を奪われてしまったプレーである。すなわち、キックしたボールをブロックされ、転々と転がるボールを拾い上げられて、90ヤード以上独走され、2点を奪われた。転がるボールをKayaksの選手は呆然と見ていただけ。学園の選手はすかさず拾い上げて疾走した。
Kayaksの選手たちが普段の練習で、アタマを使わず見た目だけ一所懸命やっていることを象徴するプレーだったと思う。
前日練習を見て感じた、練習の意味・意図を全く考えずに漫然と練習する態度がこうしたプレーにつながる。常に試合をイメージし、全力で練習していれば、ああしたプレーは起こり得ない。また、スタッフに対しても、こうした怠慢プレーを許さない指導をしていただきたいと願うばかりだ。
試合は、78対8でKayaksが勝利した。思ってもいない大勝に浮かれることなく、Kayaksにはますます精進して欲しい。
最後になりましたが、
北海学園大学の皆さんは部員数の減少や練習環境などの面で困難なことが多いことでしょうが、困難な敵に立ち向かい、アタマとカラダを使って相手を打ちのめすのがフットボールです。是非、諸問題を自分たち自身の創意工夫で解決し、より一層素晴らしいチームを作り上げてください。
定期戦に関わる準備等、また、札幌滞在中にはさまざまなサポートをいただきありがとうございました。秋のリーグ戦でのご健闘を心よりお祈り申し上げます。
北海学園大学アメリカンフットボール部GOLDEN BEARS 公式webサイト