学生たちに付き添ってワゴン車を運転し、気仙沼市赤岩牧沢にある市営テニスコート住宅、通称「牧沢仮設」へ行ってきた。
朝7時に大学を出発するというスケジュールだったが、未明に雪が降り、仙台市内でも数センチ積雪。少々不安を感じつつ出発したが、無事、10時頃現地に到着。今日は、本学災害ボランティアステーションの学生スタッフ5名と共に、雪かきとちらし寿司を作りにやってきた。
ふたてに分かれ、私は雪かき班に混じって、仮設住宅の日陰に分厚く張った氷を撤去する作業。スコップでは歯が立たず、バールを借りて氷を割り、それを撤去するという、なかなかハードな作業ではあったが、1時間半ほどで無事終了。昼食前の良い腹ごなし?となった。
仮設住宅に住む方々とボランティア学生とで、卓球台のテーブルを囲み、楽しい昼食をいただいた。
このボランティア活動は、東北学院大学災害ボランティアステーションが定期的に行っている活動のひとつで、私は今回が初めてだったが、学生たちはほとんど毎月こちらにお邪魔しており、もうすっかり住民の皆さんと顔なじみといった様子。小さい子供もいて、食後に夢中になって遊ぶ様子は、正月に親戚が集まってはしゃいでいる様子に似ていた。
私は、震災直後から被災地に度々入り、本学の学生らと共に、瓦礫の撤去や汚泥の掻き出しなどを行ってきた。そうした「肉体労働」のニーズがなくなるとボランティア活動から離れ、例えば台風の被害にあった京都へ行ったり、土砂崩れ被害の広島に行ったりした。今回、初めて被災者の「心の復興支援」とも言える活動に加わり、その大きな意義を体験した。
学生にとっては、大学のキャンパスを飛び出し、大人(あるいは子供)と直接関わることによって得る経験は教室で学ぶことができない貴重なものだし、被災者にとっては、震災前から社会問題となっている小規模・高齢化集落の支援に繋がる新たな解決策のひとつだと言えるのではないかと感じた。
被災者側のことを詳しく述べる立場にないが、学生にとってこうしたボランティア活動は、自分たちで考え、準備し、実際に動いて相手(被災者)の反応を肌で感じ、反省して次に生かす、まさに社会に出たらすぐに行わなければならないことを実際に経験できるチャンスであり、まさにアクティブ・ラーニングによる学びの形であると言える。
正直言うと、瓦礫撤去等以降の災害ボランティア活動は、体のいい無賃金就労じゃないのかと思ったこともしばしばであった。もしかすると、中にはそういう悪質な依頼も実際にあるかもしれない。しかし、例えば仮設住宅の雪かきをしたり窓拭きをしたり、あるいはちらし寿司を一緒に作って一緒に食べたりという活動は、お年寄りがほとんどである仮設住宅に住まわれる方々にとっては、まさに支援であり、老若男女が共に生きる社会にとっては、当たり前のことだと言える。
現代社会においては、様々な問題が起こりうるので単純なことではないが、今日、学生たちの活動に付き添って、私自身の考え方が大きく変わった。これからは、こうした活動のサポートも積極的に行っていきたいと思う。
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