2/22/2015

歩く三校祖

先週、19日(木)、本学土樋キャンパス押川記念ホールで行われた「東北学院史資料センター2014年度シンポジウム『歩く三校祖』」に参加してきた。学内に貼られたポスターも印象的だったし、「歩く三校祖」というネーミングもなかなか興味をそそる。果たして、その興味を十分に満足させる内容であった。

本学は来年、創立130周年を迎えるが、このシンポジウムでは、約90年前の創立40周年記念事業の映像(もちろん白黒!無声映画!)と、約30年前に作られた創立100周年記念映画を上映した。

100周年の時、私はもう大学4年生だったので、その大部分の映像は実体験としての懐かしさに溢れ、キャンパスを歩く80年代の学生のヘアースタイルやファッションが可笑しく、また、今はもう退職された当時の教授陣の若々しさに若干驚いた。

一方、40周年の映像は、まさにチャップリンの無声映画を見ているかのようなワクワク感を持って見た。そしてそのワクワク感は、映像に写っている人物たちのワクワク感に共感しているような感覚でもあった。

本学は、押川方義・W.E.ホーイ・D.B.シュネーダーの3人を校祖としている。
学校が作られたのは130年も前の出来事だから、この3人はまさに歴史上の人物で、変な言い方だが、その存在を実感するのが私には難しかった。

私は高校から東北学院に通っているので、この3人について、まぁまぁ知っている方だと思うのだが、この映像を見るのは初めてだったし、動く三校祖を見るのはもちろん初めてのこと。映像の中で動いている三校祖を見て、初めてその存在を実感し、あー、この人たちが東北学院(当初は仙台神学校と言った)を起こした人たちなんだなー、と感慨深い思いを持った。

しかし、このシンポジウムにおいて何よりも印象的だったのは、その90年前の映像に出てくる外国人のご婦人たち(という言い方が最も相応しく感じた)のウキウキとした楽しげな表情や仕草。

キリスト教布教というミッションに突き動かされたとは言え、小さな極東の島国に渡り、そのさらに東北の小さな田舎町であったろう仙台に、教師2人生徒6人から起こした小さな学校が40周年を迎え、そのお祝いには、多くの仙台市民も訪れた様子(当時は娯楽が無かったから、という解説ではあったが)を見れば、そのウキウキとした気持ちも容易に理解できる。

そうしたウキウキ感、わくわく感が溢れ出るほど、40周年記念事業は楽しい出来事だったのだろうと思うと、なんだかすごく羨ましく感じた。

もちろん、ただみんなが集まって、久しぶりに母国の友人と再会できてウキウキワクワクしていたのかもしれないが、それで良いと思う。そういうイベントを実施したということが大事。まもなく創立130周年を迎える東北学院は、果たしてそうしたウキウキワクワクするイベントを企画実施することができるのだろうか?ということ。

時代が違う、他もこうだから、とかではなく、小さな学校が様々な苦境を乗り越えて創立140周年を迎えるのである。大事な家族の140歳の誕生日なのだから、みんなが心からお祝いできるようなイベントを実施したら良いと思う。そうすべきだと思う。お祝いする雰囲気を作るべきだと思う。

小さいうちから誕生祝いをされて育てば、大人になっても誕生日が楽しげな日になるはずだし、他人の誕生日もお祝いしたくなるのではないだろうか。東北学院の組織風土として、創立を祝う環境を大事にしてきたのか?しようとしてるのか? 学生・同窓生・教職員を大事にして初めて、皆が学校を大事に思い、学校の創立を祝う気持ちが生まれるのではないか?果たしてこれまでそうしてきたのか?

40周年の映像に猛省し、大事なことをみんなで思い出して、再び素晴らしい学校をみんなで作っていくべきだと感じた。

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