1/13/2013

高2自殺:バスケ部主将 その4

【MSN産経ニュースより一部引用】
「かなり憔悴」 バスケ部顧問、高体連の役職辞任 2013.1.11 16:12
 専門部によると、1月上旬に顧問が電話で辞任を申し出た。責任者は「体罰は当然許されないので、役職を降りてもらった。非常に情熱的で、人格的にも優れた人だったので残念。かなり憔悴しているようだった」と話した。

バスケ顧問、「体罰必要」「たたくことでよい方向に向かう生徒も」市教委が聞き取り詳細公表 2013.1.11 19:05
 顧問は体罰抜きの指導をできなかったのか問われ「できたかもしれないが、たたくことでよい方向に向く生徒もいた」と説明。体罰は部を強くするために「必要だと思う」とも回答した。部内での体罰が常態化していたとみられる。

バレー部顧問の体罰隠し、全校集会で校長が謝罪 2013.1.11 22:07
 佐藤校長は、平成23年に体罰で懲戒処分を受けたバレー部の男性顧問が昨年11月、部員の男子生徒に体罰を再発させていたことを知りながら隠蔽したことについて「隠し事をしてしまい、申し訳なかった」と述べたという。
 佐藤校長は体罰を隠したことについて10日の記者会見で、「2回目は厳しい処分になると思い、顧問の将来を心配した」と釈明した。

体育の授業でも体罰 バスケット部顧問 2013.1.12 21:16
 学校関係者によると、授業で体育祭の組み体操の練習をしていた時、2年生で野球部の男子生徒がふざけていたため、顧問が生徒の顔を2、3発平手打ちした。

バスケ部員数人、管理人なしで共同生活 校長「不適切だった」 2013.1.12 23:22
 佐藤校長は昨秋に部員の共同生活を別の教員から指摘されて把握。顧問に確認したところ、顧問は「管理人のいないところで共同生活している」と説明したという。
 佐藤校長によると、学校は部員が集団生活する寮を設けておらず、共同生活は「不適切だった」とした。
【引用ここまで】
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次から次へと明るみに出る杜撰というか無責任極まりない学校運営、そして誤った認識。この期に及んで顧問に対して「人格的にも優れた人」という表現が出てくるとは。信じられない。

体罰が「必要」とは、一体どの口がそんなこと言ったのか!と、それこそ殴りつけてやりたいほど腹立たしい。

元プロ野球巨人の桑田真澄氏が「私は、体罰を受けなかった高校時代に一番成長しました」と言っている。

体罰が「必要」など絶対にあり得ない。これを機に、本気で改めましょう、全国の「指導者」の皆さん!

「体罰は自立妨げ成長の芽摘む」桑田真澄さん経験踏まえ(朝日新聞)

 【岡雄一郎】体罰問題について、元プロ野球投手の桑田真澄さん(44)が朝日新聞の取材に応じ、「体罰は不要」と訴えた。殴られた経験を踏まえ、「子どもの自立を妨げ、成長の芽を摘みかねない」と指摘した。

 私は中学まで毎日のように練習で殴られていました。小学3年で6年のチームに入り、中学では1年でエースだったので、上級生のやっかみもあったと思います。殴られるのが嫌で仕方なかったし、グラウンドに行きたくありませんでした。今でも思い出したくない記憶です。

 早大大学院にいた2009年、論文執筆のため、プロ野球選手と東京六大学の野球部員の計約550人にアンケートをしました。

 体罰について尋ねると、「指導者から受けた」は中学で45%、高校で46%。「先輩から受けた」は中学36%、高校51%でした。「意外に少ないな」と思いました。

 ところが、アンケートでは「体罰は必要」「ときとして必要」との回答が83%にのぼりました。「あの指導のおかげで成功した」との思いからかもしれません。でも、肯定派の人に聞きたいのです。指導者や先輩の暴力で、失明したり大けがをしたりして選手生命を失うかもしれない。それでもいいのか、と。

 私は、体罰は必要ないと考えています。「絶対に仕返しをされない」という上下関係の構図で起きるのが体罰です。監督が采配ミスをして選手に殴られますか? スポーツで最も恥ずべきひきょうな行為です。殴られるのが嫌で、あるいは指導者や先輩が嫌いになり、野球を辞めた仲間を何人も見ました。スポーツ界にとって大きな損失です。

 指導者が怠けている証拠でもあります。暴力で脅して子どもを思い通りに動かそうとするのは、最も安易な方法。昔はそれが正しいと思われていました。でも、例えば、野球で三振した子を殴って叱ると、次の打席はどうすると思いますか? 何とかしてバットにボールを当てようと、スイングが縮こまります。それでは、正しい打撃を覚えられません。「タイミングが合ってないよ。どうすればいいか、次の打席まで他の選手のプレーを見て勉強してごらん」。そんなきっかけを与えてやるのが、本当の指導です。

 今はコミュニケーションを大事にした新たな指導法が研究され、多くの本で紹介もされています。子どもが10人いれば、10通りの指導法があっていい。「この子にはどういう声かけをしたら、伸びるか」。時間はかかるかもしれないけど、そう考えた教え方が技術を伸ばせるんです。

 「練習中に水を飲むとバテる」と信じられていたので、私はPL学園時代、先輩たちに隠れて便器の水を飲み、渇きをしのいだことがあります。手洗い所の蛇口は針金で縛られていましたから。でも今、適度な水分補給は常識です。スポーツ医学も、道具も、戦術も進化し、指導者だけが立ち遅れていると感じます。

 体罰を受けた子は、「何をしたら殴られないで済むだろう」という後ろ向きな思考に陥ります。それでは子どもの自立心が育たず、指示されたことしかやらない。自分でプレーの判断ができず、よい選手にはなれません。そして、日常生活でも、スポーツで養うべき判断力や精神力を生かせないでしょう。

 「極限状態に追い詰めて成長させるために」と体罰を正当化する人がいるかもしれませんが、殴ってうまくなるなら誰もがプロ選手になれます。私は、体罰を受けなかった高校時代に一番成長しました。「愛情の表れなら殴ってもよい」と言う人もいますが、私自身は体罰に愛を感じたことは一度もありません。伝わるかどうか分からない暴力より、指導者が教養を積んで伝えた方が確実です。

 日本のスポーツ指導者は、指導に情熱を傾けすぎた結果、体罰に及ぶ場合が多いように感じます。私も小学生から勝負の世界を経験してきましたし、今も中学生に野球を教えていますから、勝利にこだわる気持ちは分かります。しかし、アマチュアスポーツにおいて、「服従」で師弟が結びつく時代は終わりました。今回の残念な問題が、日本のスポーツ界が変わる契機になってほしいと思います。

     ◇

 大阪府出身。PL学園高校時代に甲子園で計20勝を記録。プロ野球・巨人では通算173勝。米大リーグに移り、2008年に現役を引退した。09年4月から1年間、早稲田大大学院スポーツ科学研究科で学ぶ。現在はスポーツ報知評論家。今月、東京大野球部の特別コーチにも就任。著書に「野球を学問する」(共著)など。
【引用ここまで】

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