5/14/2018

フットボールが終わった

敬愛する日本大学アメリカンフットボール部フェニックスが、関西学院大学との定期戦で極めて悪質かつ極めて危険な反則プレーを犯して、当該選手が退場処分となった。ネットニュースでも大きく取り上げられている。

関学最初の攻撃プレーでフォワードパスを投げ終えたクォーターバックの背後から、日大のディフェンスラインがタックルした、というのだ。しかも、投げ終えてから2秒後に。

パスを投げ終えたクォーターバックは無防備な体勢となるため、タックルすることはルールで禁じられていて、触っただけで反則となることがある。

それほど、危険だからだ。

アメリカンフットボールのルールは、危険なプレーを排除するために毎年毎年改正が続けられている。
審判員も指導者も選手も、皆、このことを理解してルールに従い、平等な立場で勝利に向けて鎬を削る。

それこそが、アメリカンフットボールの醍醐味であり、スポーツ全てに通ずる面白さである。

その根幹を揺るがす行為が、今回の伝統ある、国内大学トップ同士による定期戦で行われたことには、ファンとしてこれ以上になく強い憤りを覚える。

当該選手はその後も反則プレーを続け(試合最初の5プレー中3プレーで反則というニュース記事もあった)、退場処分となっている。

なぜ???

なぜ、最初の反則プレーで当該選手を日大はサイドラインにひっこめなかったのか?
そうすべきであった。それぐらい極めて危険なプレーだった。

今は日大も謝罪したと報じられているが、試合直後、日大の指導者はこの反則を容認するかのような発言をしていたようである。

言語道断。

そんなことが許されるようなプレーではなかった。

私もレベルは違えどアメリカンフットボールを大学で指導したことがあり、例えばオプションプレーでボールをピッチし終えた直後のクォーターバックにも激しくタックルするよう指導していた。

しかしこれは、オプションが「だまし合い」のようなプレーであり、相手もタックルされる可能性が高いことを承知でプレーしているからに他ならないし、当然、反則ではない。(ピッチし終えて明らかにボールを持っていないクォーターバックへのタックルを指示していたのではないので誤解のないようにお願いします)

そうした、試合を進める上で戦略的に相手をパニッシュする(懲らしめる)ハードなプレーと、相手を傷めつけるためだけのラフなプレーを正しく区別し、ハードなプレーを身につけるために、選手たちは毎日毎日苦しい練習をしているのだと私は思う。

私が大学3年から4年に上がる春休みに、日本大学と合同練習を行った。
故 篠竹幹夫監督にご指導をいただき、激しさの何たるかに触れた思いであった。
あれから30年余が過ぎたが、あの強烈な印象は今も強く心に刻まれていて、低迷した時期も日大フェニックスがその名のとおり復活することを心から応援し、期待していた。

しかし、今回の出来事は、その思いを全て消し去るほど大きい。
もはや日大は、憧れのチームではない。

私の中で、フットボールが終わった。
それほど強い衝撃。落胆。
残念でならない。

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