おととい、17日(月)敬老の日、13時30分から仙台大学の人工芝グラウンドにおいて行われた今シーズンの第2節、Kayaks対仙台大学シルバーファルコンズの試合を観戦してきた。
暑かった今夏を名残惜しむかのような強い日差しを、時折雲が覆い隠してくれるような天気。風がやや強く、パスにはさほど影響はないが、風下だと高いパントやキックはやや押し戻される感じ。スタンドの最上段で観戦する分には意外に快適だったが、人工芝の上は相当な暑さを感じたことだろう。
さて、試合を振り返ってみよう。
この試合で最も印象的だったのは、Kayaksの選手たちの技術の上達ぶりと一所懸命さ。
春には満足にタックルできない選手が多く、その要因はフィジカルとメンタルの弱さ、すなわちボールキャリアを受け止める身体的な強さと、相手を向こう側に押し倒してやろうという精神的な強さの欠如にあったと感じているが、それらをおそらく夏の練習で克服し、まだ相手を一発で倒すというところまでは至っていないが、そこを一所懸命パシュートしてきた味方が次から次へとタックルすることでカバーしていた。
それで良いのだ。
もちろん、一撃必殺のタックルは魅力的だが、Kayaksはそもそもサイズ的に恵まれているとは言えず、だったらギャングタックルで相手を倒せば良い訳で、Kayaksらしく、Kayaks流にプレーした結果、特に前半は昨シーズンの東北・北海道の王者をリードして折り返すという素晴らしい試合展開を得た。
オフェンスチームでは、ロングパスにその成長ぶりをはっきりと見ることができた。
特に風上にたった第2クォーター。
パスラッシュによるプレッシャーを全く受けていなかった訳ではないクォーターバック#10だが、レシーバーとディフェンダーの関係に意識を集中し、絶妙のタイミングで素晴らしいパスを通していた。
まさにデリバリー。
ディフェンダーを振り切って走るレシーバーの手に、まるで手渡しするかのように静かにボールを収めていた。
前節では、ターゲットよりもパスラッシュに気を取られて再三に渡って大切なボールを無駄に投げ捨てた4年生クォーターバックが、僅か2週間でここまで修正してこれるとは驚きだ。おそらくコーチングスタッフと入念に調整を続けてきたのだろう。ポテンシャルを存分に発揮してロングパスを投げる姿は、頼もしくさえ見えた。
ランプレーにおいても、オフェンスチームは素晴らしいパフォーマンスを発揮していた。
アベレージで9ヤード近いゲインを繰り返したフルバック#39の活躍は、彼の心身が充実していることをハッキリと示していたし、バランス良い走りで着実なゲインを重ねた4年生テールバック#36の走りは、彼の持つポテンシャルを存分に発揮した魅力溢れるものであった。スタンドで見守るOBたちが、彼らの走りをもっと多く見たいと熱望したのも当然のことと言えよう。
もちろん、そのプレーを支えたのがラインメンの活躍であったことは言うまでもない。
前節でも感じたが、Kayaksのラインメンは弱くはない。むしろ、相対的には強いと言って良いだろう。今回の試合では、そのポテンシャルが発揮され、ほぼLOSを制していた。これは攻守ともに言えることで、地道な練習の成果だということが言えるかもしれない。
今シーズンの初戦では、残念ながらイイトコ無しで終わってしまった感のあるKayaksだったが、初戦に敗れて気負いがなくなって肩の力が抜けたからか、実力を知って驕ることなく試合に臨めたからか、見違えるような活躍ぶりだった。
では、何故、今回も敗れてしまったのか?
スタンドの最上段から観戦していた者の感想として敗因を述べるとすれば、ひとつには(1)試合の進め方が単調過ぎたということ。それから、(2)得点することあるいは失点を防ぐことに貪欲過ぎたのではないかということ。そしてもうひとつは、(3)スペシャルチームのプレーがあまりにも雑だったということが上げられる。(これらはあくまで私個人の主観です)
(1)について。
Kayaksは昨シーズンもそうだったが、後半になると逆転されたり大量失点して敗れることが多い。これは試合の進め方が単調であるからではないか。フットボールにおけるハーフタイムは休憩時間ではなく、後半の戦い方を決める作戦会議の時間。これを有効に活かして後半開始直後に先手を打たないと、試合に勝つことは難しいのではないか。
(2)について。
フットボールは48分間(ボウルゲーム等は60分)で行われる競技で、この時間内に1点でも多く得点している方が勝ちというスポーツなので、リードしていて残り時間がさほど長くない場合にリスクを犯して得点を狙う必要もなければ、逆転するのに十分な残り時間がある場合、なりふり構わず失点を防ごうとする必要もないということ。得点と失点と残り時間の「3次元」でゲーム進行を考えていかなければならないのではないか。
(3)について。
今回はあまりにお粗末過ぎた。おそらく、いや、間違いなく練習不足。シチュエーションごとにすべきことを反復しなければ試合で遂行できないのは攻守プレーと同じ。フットボールの試合において、2割から3割がスペシャルチームによるプレーだという事実を自覚し、練習時間だけでなく、質を高める工夫が必要だろう。
結果的に21対30で敗れたとは言え、Kayaksは随所に好プレーが見られ、内容ある良いゲームだったと思う。
勝利まで、あとひと息。
試合をしっかり正しく反省し、これを受け流すことなくきっちり受け止め、次節への準備に活かして真摯に練習に取り組んで欲しい。試合結果というのはあくまで相対的な尺度でしかないが、選手たちが追い求めるべきは自分に勝てるかどうかという絶対的な尺度であるはず。対戦相手に敬意を表し、試合進行に一喜一憂することなく、唯一無二の目標であるはずの勝利を目指して精進して欲しい。
頑張れ!Kayaks!!
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