5/30/2013

いつ読むか? 今でしょ!

最近はバラエティ番組にも多く出演している東進ハイスクールの「カリスマ」現代文講師、林 修 氏の著書「いつやるか? 今でしょ! 」を読んだ。

林氏と私は同い年で同じ時代を生きてきたせいか、片や東京大学法学部卒、こちらは地方私立大の文学部卒と学歴・学力は雲泥の差だが、書いてあることは「ま、そうだよね、そのとおり!」と言った感じで共感が持て、実は読む前はテレビCM等で人気が出て調子に乗って書かれたツマラナイ本かと思っていたが、いやいやどうして、若い人たちに是非読んで欲しいと感じる良いモノだった。

挨拶は「誰にでも平等に」しよう!(p.012~)
エラい人にだけ挨拶をして、他は見下して挨拶しない人って意外と多い。私は学生たちから「何て挨拶にウルサイ人だ、メンドクサイ」と思われているかもしれないほどよく「ちゃんと挨拶しろ!」と言っているが、挨拶というのはお互いをひとりの人間として認める最もシンプルで最も確実な行為のひとつだと私は思っている。「おはようございます」と言い合うだけで、お互いをこの社会の構成員として認め合い、互いに認められたことで喜びを感じ、この社会に奉仕しようという気持ちを思い起こさせる。大袈裟に感じるかもしれないが、試しに笑顔で心を込めてみんなに挨拶してみるといい。挨拶した方もされた方も、心の内に明るい光が生まれることを感じるはずだ。

第一印象力を高めよ!
人間は無意識に相手を頭のなかのいくつかの「ゾーン」に振り分けて生きています。その振り分けはたいてい最初の出会いのときに行われて、その後の関係のなかで他の「ゾーン」への入れ直しはなかなか行われません。(p.044~)
私は「コワモテ」で相手に与える第一印象が良くないと自覚しているので、これは良く分かる。その後コワクナイと分かってもらえるまでどんなに苦労することか?!…というのは冗談だが、第一印象はやはりとても大事。それは、コワモテとかそういうことではなく、本にもあるとおり「清潔である」ということ。人が社会という群れの中で共同生活する上で、不潔で不快というのは何より致命的。いつも身だしなみを整え、清潔でいよう。

仲間同士でなれあうなかれ(p.065~)
心通じ合う仲間との出会いは大切にすべき。と同時に、ひとり内省する時間を大切にすることもとても大事である。ここでいうなれあいとは、そうしたひとりの時間をも邪魔する見せかけの仲間付き合いをするなということだろう。
人は社会という群れで共同生活を営む生き物であるが、それがすなわちひとり内省の時を否定するものではない。深く思考する能力を持つことが人間の尊厳のひとつであるとも言え、これを邪魔する者は本当の仲間ではない。言葉を換えれば、依存しあうな、ということか。勿論、引き籠って常に内省…ではダメ!

完璧を目指すことがいいことではない(p.078~)
「できる人」は逆算の哲学、つまりゴールから逆算して今何をすべきかを考えている、と書かれている。私はさほど「できる」方ではないが、行動はまさに逆算の哲学に基づいている。
例えば、6月27日までにこれを達成するには、19日までここまで仕上げれば良くて、そのためには12日までこれをすれば良くて、だから今日はこれ、明日はこれをする、という具合である。この時、与えられた時間や条件の中でベストを尽くすことが重要で、その局面ごとに完璧にこなそうとすることはむしろ過ちであるとさえ言える。なぜなら、その局面を完璧にすることが目標ではなく、最終的なゴールに遅れることなく正しく到達することが目標なワケだから。
もちろん、私もどうにもならずオーバータイムで働くこともあるが、それは稀なことで、大抵はゴールに向けて計画を逆算し直して事足りる(こうしたことも始めから予測して逆算している)。一所懸命にやることは悪いことではないが、局面ごとに完璧を求め過ぎると目標を見失いやすいという事実に気付くべきである。

相手に「伝わる」言葉を探せ(p.102~)
特に人生の折り返し地点を過ぎた今、若者たちと話す時によく考えることである。言葉はコミュニケーションの道具であり、伝わらなければ全く意味が無い。単語の選択だけでなく、話すスピードやリズム、身振り手振り、場の雰囲気、そこにいるメンバーなどによっても伝わり方は全く変わってしまう。公私を問わず、コミュニケーションは必要不可欠であり、その道具である言葉を自在に操れれば、人生はさらに豊かになる。言葉の使い方について、みんなもっと真剣に考えるべきだ。

最後まで譲れない「こだわり」とは?(p.130~)
「こだわり」はなるべく少ない方がいい、と書かれている。私もそう思う。枝葉にまでこだわりを持つと自由が無い、それ以上成長しない。こだわりは、幹の部分、根幹にだけ持つようにし、日光をたくさん浴びて枝葉を大きく広げ成長すべきだろう。若いうちはどこまでが幹でどこから枝かというのが分かりづらい。しかしそれは仕方がないこと。物事をよく考えて生きていれば、徐々に分かってくるはず。そういう私もまだまだ分からないことだらけ。これからもよーく考えて、最期はこだわりを全て手放せるようになれれば良いなと。


若い皆さんにおすすめです。でも「旬」というのがありますからね。
いつ読むか?
今でしょ!

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